会社の方針に合った退職金制度を整えるために

自社退職金制度は、会社が独自に対象者、支給条件、計算方法、支給時期などを定める退職金制度です。
確定給付企業年金(DB)、企業型確定拠出年金(DC)、中小企業退職金共済(中退共)などの外部制度と比べて、会社の人事方針や従業員構成に合わせた設計をしやすいことが特徴です。
一方で、退職金の支払義務を会社が負うため、将来必要となる金額を見通し、退職金原資を計画的に準備する必要があります。
また、退職金の支給条件が就業規則や退職金規程などで明確に定められている場合、その退職金は労働基準法上の賃金に該当し、会社は規程に従って支払う必要があります。
eTAISHOKUKIN.netでは、自社退職金制度の新規構築、退職金規程の作成・見直し、導入後の運用などに対応する社会保険労務士の情報を掲載しています。


このようなことを検討していませんか

  • 会社独自の退職金制度を新しくつくりたい
  • 退職金規程を整備したい
  • 現在の計算方法が複雑でわかりにくい
  • 将来の退職金負担を確認したい
  • 基本給に連動しない計算方法へ見直したい
  • 勤続年数だけでなく、役職や評価も反映したい
  • 中退共などの外部制度と組み合わせたい
  • 退職金規程と実際の計算方法が一致しているか不安
  • 定年延長や賃金制度の変更に合わせて見直したい
  • 合併や事業承継に伴い、異なる制度を整理したい
  • 退職理由による支給率の違いを整理したい
  • 懲戒解雇時の減額・不支給について確認したい

自社退職金制度は自由度が高い一方で、制度設計や規程の内容が、その後の支払義務や従業員との関係に直結します。
導入時だけでなく、将来の運用や制度変更まで見据えて設計することが大切です。


自社退職金制度とは

自社退職金制度は、会社が退職金の対象者、支給条件、計算方法などを独自に定め、退職時に会社から従業員へ退職金を支給する仕組みです。
退職金制度を設けること自体は、すべての会社に法律上義務づけられているわけではありません。
ただし、退職金を支給することを就業規則、退職金規程、労働契約などで定めた場合は、その内容に従って支払う必要があります。

自社制度では、例えば次のような内容を会社ごとに決めます。

  • 対象となる従業員
  • 退職金を支給するために必要な勤続期間
  • 退職金の計算方法
  • 自己都合・会社都合・定年などによる取扱い
  • 休職、出向、育児・介護休業期間などの取扱い
  • 支給時期
  • 死亡退職時の受給者
  • 懲戒解雇時の減額・不支給
  • 中退共など外部制度との関係

会社の人事制度を反映しやすい反面、曖昧な規程や複雑な計算方法は、退職時のトラブルや運用ミスにつながる可能性があります。


自社退職金制度の主な特徴

会社の方針を反映しやすい

勤続年数だけでなく、役職、等級、評価、会社への貢献などを反映した制度を検討できます。
長期勤続を重視するのか、役割や成果を反映するのかなど、会社の人事方針に合わせた設計が可能です。

対象者や支給条件を定められる

正社員、契約社員、パートタイマーなど、どの従業員を対象とするかを制度の目的に応じて整理します。
ただし、雇用形態によって取扱いを分ける場合は、その違いを合理的に説明できるようにしておくことが大切です。

計算方法を選べる

基本給と勤続年数を基礎とする方法、退職金専用の基礎額を使う方法、ポイント制など、さまざまな計算方法があります。
厚生労働省のモデル就業規則では、退職時の基本給と勤続年数を基礎として算定する例が示されていますが、実際の制度は各社の状況に応じて設計します。

外部制度と組み合わせられる

中退共、DB、企業型DCなどを退職金の全部または一部として利用し、自社制度と組み合わせることがあります。
外部制度だけでは会社が目標とする給付水準に届かない場合に、自社制度で差額を支給する方法なども考えられます。

会社が将来の支払責任を負う

自社制度では、規程で定めた退職金を会社が支払います。
将来の退職者数や支給額が想定より増えても、規程に基づく支払義務がなくなるわけではありません。
そのため、制度設計時には、従業員数、年齢、勤続年数、賃金上昇などを踏まえた将来負担の確認が必要です。


自社退職金制度を検討しやすい企業

自社退職金制度は、例えば次のような企業で検討されることがあります。

  • 会社独自の人事方針を退職金に反映したい
  • 勤続年数や役職、等級に応じた制度を設けたい
  • 基本給に連動しない退職金制度をつくりたい
  • 外部制度だけでは希望する給付設計が難しい
  • 中退共などに上乗せする制度を設けたい
  • 現在の退職金制度をわかりやすく整理したい
  • 将来の退職金負担を管理しやすい制度へ見直したい
  • 従業員の定着や採用力の向上につなげたい
  • 会社の成長段階に合わせて制度を整えたい

ただし、自由度が高いことだけを理由に自社制度を選ぶのではなく、会社が将来にわたって支給責任を負えるか、社内で適切に管理できるかを確認する必要があります。


主な退職金の計算方法

1.基本給連動方式

退職時の基本給に、勤続年数や退職理由に応じた支給率を掛けて退職金を計算する方法です。
比較的理解しやすい一方、基本給が上昇すると、過去の勤続期間を含む退職金額も増える可能性があります。
そのため、将来の賃金上昇や長期勤続者の増加によって、会社負担が大きくなることがあります。

2.別テーブル方式

基本給とは別に、退職金計算専用の基礎額を、役職、等級、勤続年数などに応じて設定する方法です。
賃金の上昇がそのまま退職金額へ影響しないため、基本給連動方式よりも将来負担を管理しやすい場合があります。
一方で、退職金専用の基礎額をどのように設定し、定期的に見直すかを決めておく必要があります。

3.定額方式

勤続年数ごとに退職金額をあらかじめ定める方法です。
計算が比較的簡単で、従業員にも説明しやすいという特徴があります。
ただし、役職や評価などを細かく反映することは難しくなります。

4.ポイント制

勤続年数、役職、等級、評価などに応じて毎年ポイントを付与し、退職時の累積ポイントに単価を掛けて計算する方法です。
会社への貢献や役割を反映しやすい一方で、ポイントの付与基準や単価を明確にし、継続して管理する必要があります。

5.外部制度との連動方式

中退共、DB、企業型DCなどから支給される金額を、会社の退職金の全部または一部として位置づける方法です。
会社規程上の退職金額と外部制度からの給付額との差額を、会社が追加して支給する設計もあります。
この場合は、外部制度から誰に、いつ、どのように支払われるのかを含め、規程上の取扱いを明確にしておく必要があります。


退職金規程とは

退職金規程は、会社の退職金制度について、対象者、支給条件、計算方法、支給時期などを定める社内規程です。
退職金制度を設ける場合、退職金に関する事項は就業規則の相対的必要記載事項に当たります。常時10人以上の労働者を使用する事業場では、退職金制度を定めた場合、その内容を就業規則に記載し、就業規則の作成・変更として所轄労働基準監督署長へ届け出る必要があります。

実務上は、就業規則の本文に、

退職金については、別に定める退職金規程による

と記載し、詳細を別規程に定める方法もあります。
この場合も、退職金規程は就業規則の一部として取り扱われるため、内容の整合性や届出、従業員への周知を確認する必要があります。


退職金規程に定める主な事項

適用範囲

正社員、契約社員、パートタイマーなど、どの従業員に規程を適用するかを定めます。
対象外となる従業員がいる場合は、他の就業規則や雇用契約との関係も確認します。

支給要件

退職金を支給するために必要な最低勤続期間などを定めます。
勤続年数の短い従業員には支給しない場合、その条件を明確にしておきます。

勤続期間の計算

入社日から退職日までをどのように計算するかを定めます。

次の期間を勤続期間へ含めるかどうかも整理します。

  • 試用期間
  • 休職期間
  • 育児・介護休業期間
  • 出向期間
  • 欠勤期間
  • 定年後の再雇用期間
  • 過去の在籍期間

退職理由の区分

自己都合退職、会社都合退職、定年退職、死亡退職など、退職理由によって支給率や支給額を分ける場合があります。
退職理由によって差を設ける場合は、どのような場合が各区分に該当するのかを明確にします。厚生労働省系の解説でも、退職理由による支給率の差や懲戒時の減額・不支給を設ける場合は、就業規則などへの明記が必要とされています。

退職金の計算方法

計算式、基礎額、支給率、ポイント単価などを定めます。
本文だけでなく、別表を用いる場合は、別表も規程の一部として明確に管理します。

支給時期

退職後、いつまでに支払うかを定めます。
規程に支払日を定めている場合は、その期日までに支払う必要があります。

死亡退職時の取扱い

従業員が死亡した場合に、誰へ退職金を支払うかを定めます。
民法上の相続人と必ずしも同じ順序にするとは限らないため、受給者の範囲と順位を明確にします。

懲戒解雇時の減額・不支給

懲戒解雇の場合に退職金を減額または不支給とする場合は、その旨を規程に定めます。
ただし、規程に記載すればどのような場合でも全額不支給にできるわけではありません。裁判例上、退職金のそれまでの功労を失わせるほどの重大な背信行為があるかなど、個別事情に応じた慎重な判断が必要とされています。

外部制度との関係

中退共、DB、企業型DC、保険などを利用する場合は、それらの給付を会社の退職金に含めるのか、別枠とするのかを明確にします。
会社規程上の金額と外部制度からの給付額に差が生じる場合の取扱いも定めておきます。


退職金規程をつくる際の主な確認事項

1.制度を設ける目的

長期勤続への報奨、人材定着、採用力の向上、従業員の老後保障など、制度を設ける目的を整理します。
目的が明確でないまま制度をつくると、支給条件や計算方法に一貫性がなくなることがあります。

2.将来の支給負担

現在の従業員だけでなく、将来の従業員数、年齢、勤続年数、賃金上昇などを踏まえて試算します。
長く勤務した従業員が同じ時期に退職する場合なども想定しておく必要があります。

3.人事・賃金制度との整合性

役職、等級、評価、定年、再雇用などの制度と、退職金の計算方法が合っているか確認します。
賃金制度を変更した結果、意図せず退職金額が増減することがないよう注意します。

4.従業員にとってのわかりやすさ

計算方法が複雑すぎると、従業員が将来の退職金を理解しにくくなり、社内担当者も正確に管理できなくなる可能性があります。
会社独自の制度であっても、計算根拠を説明できる内容にすることが大切です。

5.退職金原資の準備方法

会社の内部資金で準備するのか、中退共、企業年金、保険などを利用するのかを検討します。
退職金規程の給付額と、実際に準備している資金が一致しているとは限らないため、定期的な確認が必要です。

6.制度変更への対応

会社の成長、賃金制度の変更、定年延長などにより、将来制度を変更する可能性があります。
変更しやすさだけを優先することはできませんが、制度が複雑になりすぎないように設計しておくことは重要です。


自社退職金制度を導入する一般的な流れ

1.会社の現状を整理する

従業員数、年齢構成、勤続年数、雇用形態、賃金制度、定年制度などを確認します。

2.制度の目的を明確にする

長期勤続への報奨、採用、人材定着、老後保障など、制度を設ける目的を整理します。

3.対象者を決める

どの従業員を制度の対象とし、いつから対象にするかを検討します。

4.給付水準を検討する

勤続年数ごとに、どの程度の退職金を支給するかを検討します。

5.計算方法を選ぶ

基本給連動、別テーブル、定額、ポイント制などを比較します。

6.将来負担を試算する

現在および将来の従業員について、退職金支給見込みを確認します。

7.退職金原資の準備方法を検討する

社内で準備するか、外部制度などを利用するかを整理します。

8.退職金規程を作成する

対象者、支給条件、計算方法、支給時期などを規程に定めます。

9.就業規則などとの整合性を確認する

就業規則、賃金規程、定年規程、再雇用規程などと内容を合わせます。

10.従業員へ説明する

制度の目的、対象者、計算方法、適用時期などを説明します。

11.必要な届出を行う

常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則の作成・変更として、所轄労働基準監督署長への届出を行います。

12.制度の運用を開始する

従業員情報や退職金見込額を継続的に管理し、退職時には規程に基づいて計算・支給します。


現在の自社退職金制度を見直す場合

すでに制度がある企業では、次のような点を確認します。

  • 退職金規程と実際の運用が一致しているか
  • 計算方法が現在の賃金制度に合っているか
  • 将来の支給額を把握できているか
  • 退職金原資を十分に準備できているか
  • 退職理由の区分が明確か
  • 休職や再雇用時の取扱いが定められているか
  • 過去の制度変更が正しく反映されているか
  • 中退共など外部制度との関係が明確か
  • 担当者によって計算結果が変わらないか
  • 従業員へ制度内容を説明できるか

見直しの結果、現在の制度をそのまま維持し、規程や計算表だけを整備する場合もあります。
必ずしも大きな制度変更を行う必要があるとは限りません。


不利益となる変更は慎重に検討する必要があります

退職金の支給額を引き下げる、支給対象者を狭める、勤続期間の計算方法を変更するなど、従業員に不利益となる制度変更は慎重に進める必要があります。
使用者が就業規則を一方的に変更し、労働条件を不利益に変更することは原則としてできません。就業規則の変更により労働条件を変更する場合は、労働者が受ける不利益の程度、変更の必要性、変更後の内容の相当性、労働組合などとの交渉状況といった事情に照らし、変更が合理的であり、変更後の就業規則が労働者へ周知されていることが必要です。
特に退職金は、従業員にとって重要な労働条件です。退職金を実質的に引き下げる変更については、高度の必要性に基づく合理的な内容であるかが厳しく判断されるとする裁判例があります。

変更を検討する場合は、例えば次の点を整理します。

  • 制度を変更する必要性
  • 従業員が受ける不利益の程度
  • 変更前後の退職金額
  • 既存従業員への経過措置
  • 過去の勤続期間に対応する給付の取扱い
  • 労働組合や従業員代表との協議
  • 従業員への説明内容
  • 変更後の規程の周知
  • 個別同意の必要性
  • 他制度への移行方法

制度変更の内容によっては、社会保険労務士だけでなく、弁護士などとの連携が必要になる場合があります。


中退共などと組み合わせる場合

自社退職金制度と中退共などを組み合わせる場合は、制度全体の支給関係を明確にする必要があります。

例えば、

  • 中退共の給付を退職金の基礎部分とする
  • 会社規程上の退職金額から中退共の給付額を差し引く
  • 中退共とは別に会社が上乗せ退職金を支給する
  • 一定の従業員のみ外部制度を利用する

といった設計があります。

その際は、次の内容を規程で整理します。

  • 会社規程上の退職金額
  • 外部制度から支給される金額
  • 会社が直接支給する金額
  • 外部制度の給付が規程額を上回る場合の取扱い
  • 外部制度へ加入していない従業員の取扱い
  • 掛金変更時の取扱い
  • 退職理由による差額の取扱い

中退共の場合、退職金は勤労者退職金共済機構から従業員本人へ直接支払われます。そのため、自社規程との関係を従業員にもわかりやすく説明することが大切です。


制度導入後に必要となる運用

従業員情報の管理

入社日、雇用形態、役職、等級、休職期間など、退職金計算に必要な情報を正確に管理します。

退職金見込額の確認

定期的に退職金見込額を確認し、会社の将来負担や資金準備の状況を把握します。

退職時の計算

規程に基づき、勤続期間、退職理由、基礎額、支給率などを確認して計算します。

規程と運用の確認

社内で慣例的に行っている取扱いと、退職金規程の内容が一致しているかを確認します。

制度変更時の対応

賃金制度、定年制度、再雇用制度などを変更する場合は、退職金制度への影響を確認します。

従業員への説明

入社時、制度変更時、定年前など、必要な時期に制度内容を説明します。

記録の保存

計算資料、規程の改定履歴、従業員への説明資料、過去の支給記録などを整理して保存します。


相談の際に準備しておきたい資料

自社退職金制度や退職金規程について相談する際には、次のような資料があると現状を整理しやすくなります。

  • 就業規則
  • 退職金規程
  • 賃金規程
  • 定年・再雇用に関する規程
  • 現在の退職金計算表
  • 退職金支給率表・ポイント表
  • 従業員の年齢、入社日、勤続年数がわかる資料
  • 過去の退職金支給記録
  • 過去の規程変更に関する資料
  • 中退共、DB、企業型DCなどの制度資料
  • 退職金原資として利用している保険などの資料
  • 従業員へ配布している説明資料

すべての資料がそろっていなくても相談できる場合があります。
まずは手元にある規程や計算資料と、現在困っていることを整理しておくとよいでしょう。


社会保険労務士に相談できる主な内容

自社退職金制度や退職金規程に対応する社会保険労務士には、例えば次のような内容を相談できます。

  • 新しい退職金制度の基本設計
  • 制度を設ける目的や対象者の整理
  • 退職金の給付水準の検討
  • 計算方法の比較
  • 将来の退職金負担の整理
  • 退職金規程の作成
  • 現在の退職金規程の確認・改定
  • 就業規則や賃金規程との整合性確認
  • 中退共など外部制度との組み合わせ
  • 現在の制度から他制度への移行
  • 不利益変更に関する論点の整理
  • 従業員への説明方法の検討
  • 説明資料の作成
  • 導入後の計算・運用体制の整備
  • 定年延長や人事制度変更に伴う見直し

対応できる支援範囲は、社会保険労務士によって異なります。

将来負担の本格的な数理計算、税務、法的判断、保険・金融商品の選定などについては、税理士、弁護士、保険会社など他の専門家との連携が必要になる場合があります。


社会保険労務士を選ぶ際のポイント

自社退職金制度・退職金規程について相談する際は、次のような点を確認するとよいでしょう。

  • 退職金制度の設計経験があるか
  • 退職金規程の作成・見直しに対応しているか
  • 複数の計算方法を比較できるか
  • 将来負担の整理に対応しているか
  • 賃金制度や評価制度との整合性を確認できるか
  • 中退共、DB、企業型DCなどとの併用を検討できるか
  • 不利益変更に関する論点を整理できるか
  • 必要に応じて弁護士や税理士などと連携できるか
  • 従業員への説明に対応しているか
  • 導入後の継続的な運用支援に対応しているか
  • 支援範囲や費用が明確か

制度のひな型を作成するだけでなく、会社の従業員構成、将来負担、現在の人事制度まで確認してもらえるかが重要です。


よくある質問

退職金制度は、すべての会社に必要ですか?

退職金制度を設けることは、すべての会社に一律に義務づけられているわけではありません。
ただし、就業規則や労働契約などで支給することを定めた場合は、その内容に従って支払う必要があります。

退職金規程は必ず作成しなければなりませんか?

退職金制度を設ける場合は、対象者、支給条件、計算方法などを明確にする必要があります。
常時10人以上の労働者を使用する事業場では、退職金制度を定めた場合、その内容を就業規則に記載し、届出を行う必要があります。詳細を別の退職金規程に定める方法もあります。

基本給連動方式とポイント制は、どちらがよいですか?

一律にどちらがよいとはいえません。
基本給連動方式は理解しやすい一方で、賃金上昇によって将来負担が増える可能性があります。ポイント制は役職や評価を反映しやすい一方で、制度管理が複雑になる場合があります。
会社の目的や人事制度、運用体制に応じて検討します。

中退共に加入していれば、退職金規程は不要ですか?

中退共を利用している場合も、会社の退職金制度としての対象者、加入時期、掛金額、中退共給付と会社の退職金との関係などを整理する必要があります。
中退共からの給付だけで会社規程上の退職金額に足りない場合、会社に差額支給義務が生じる設計になっていないかも確認が必要です。

退職金規程に書いてあれば、懲戒解雇時に全額不支給にできますか?

規程に減額・不支給の定めを置くことはできますが、規程があるだけで常に全額不支給が認められるわけではありません。
退職金の性格や従業員の行為の重大性などを踏まえ、個別に慎重な判断が必要です。

会社の業績が悪化した場合、退職金を減額できますか?

会社の判断だけで自由に減額できるものではありません。
従業員に不利益となる変更については、変更の必要性、不利益の程度、内容の相当性、労使協議の状況、経過措置などを含めて慎重に検討する必要があります。

退職金の支給日を会社の都合で延期できますか?

退職金規程で支給日を定めている場合は、原則としてその支給日までに全額を支払う必要があります。

現在の規程が古いかどうかだけでも確認できますか?

退職金規程の確認に対応する社会保険労務士も掲載しています。
ただし、規程の文章だけでなく、現在の計算方法、過去の支給実績、賃金制度、外部制度の利用状況なども確認した方がよい場合があります。

相談したら必ず契約しなければなりませんか?

相談後に支援内容、進め方、費用などを確認し、依頼するかどうかをご判断ください。
契約する場合は、相談者と担当する社会保険労務士との直接契約となります。


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自社退職金制度は、会社の方針に合わせた設計ができる一方で、将来の支給責任、退職金原資、規程の内容、実際の運用まで一体として考える必要があります。
特に現在の制度を変更する場合は、会社の負担だけでなく、従業員への影響や必要な手続きも確認することが大切です。
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※本ページは、退職金制度や退職金規程に関する一般的な情報を掲載しています。
具体的な制度設計、規程変更、退職金の減額・不支給などについては、会社の状況や従業員への影響によって判断が異なります。
個別の対応については、社会保険労務士、弁護士などの専門家へご確認ください。