導入した退職金制度を、適切に運用し続けるために

退職金制度は、導入して終わりではありません。
従業員の入社・退職、休職や雇用形態の変更、規程の改定、制度に関する従業員からの問い合わせなど、導入後も継続的な対応が必要です。

「制度を導入した担当者が退職し、経緯がわからない」
「退職金規程と実際の取扱いが合っているか不安」
「従業員に制度の内容をうまく説明できない」

このような場合は、制度内容と現在の運用状況を確認し、社内で継続して管理できる体制を整えることが大切です。
eTAISHOKUKIN.netでは、退職金制度の運用支援に対応する社会保険労務士の情報を掲載しています。対応する制度や支援内容などを確認し、自社に合った相談先を探すことができます。


このようなお悩みはありませんか

  • 退職金制度の運用方法に不安がある
  • 制度を導入した当時の担当者がいない
  • 退職金規程の内容を社内で十分に把握できていない
  • 入社・退職時にどのような対応が必要かわからない
  • 休職期間や雇用形態変更時の取扱いに迷っている
  • 退職金の計算方法が担当者によって異なっている
  • 従業員からの質問にうまく答えられない
  • 社員向けの説明資料を整えたい
  • 制度や法令の変更に対応できているか確認したい
  • 継続的に相談できる専門家を探している

大きな制度変更を予定していない場合でも、日常の運用を定期的に確認することで、計算や手続き、従業員説明の行き違いを防ぎやすくなります。


退職金制度に継続的な運用が必要な理由

従業員の状況は変化するため

従業員の入社、退職、休職、復職、雇用形態の変更などにより、制度上の取扱いを判断する場面が生じます。
特に、勤続期間の計算や対象者の範囲については、退職金規程に基づいて一貫した取扱いを行うことが重要です。

社内の担当者が交代するため

制度導入時の経緯や判断基準が、担当者の交代によって引き継がれないことがあります。
担当者だけが把握している状態を避け、規程、運用手順、計算資料などを整理しておく必要があります。

規程と実際の運用にずれが生じるため

長年運用している間に、退職金規程に記載された内容と実際の取扱いが異なってしまうことがあります。
規程と運用のずれを放置すると、退職時の計算や従業員への説明で問題が生じる可能性があります。

制度や会社の状況が変化するため

会社の規模、従業員構成、賃金制度、定年制度などが変わると、退職金制度にも影響する場合があります。
大きな見直しが必要でなくても、定期的に制度との整合性を確認することが大切です。

制度ごとに必要な対応が異なるため

企業型確定拠出年金では、加入者が運用商品を選ぶ仕組みであり、事業主には加入者への継続的な情報提供や投資教育が求められます。中退共では、事業主が従業員ごとの掛金を納付し、退職時には勤労者退職金共済機構から本人へ退職金が支払われるため、加入・退職などに伴う所定の手続きを適切に行う必要があります。


運用時に確認したい主な項目

1.制度の対象者

どの従業員が制度の対象となるのかを確認します。
正社員、契約社員、パートタイマーなど、雇用形態によって取扱いが異なる場合は、退職金規程や実際の運用と一致しているかを確認します。

2.加入・資格取得時の対応

従業員を採用した際に、制度への加入や社内登録などが必要になる場合があります。
手続きの時期や必要書類を整理し、加入漏れが生じないよう管理します。

3.勤続期間の計算

退職金の計算では、入社日、退職日、休職期間、育児・介護休業期間、出向期間などの取扱いを確認する必要があります。
規程上の取扱いと実際の計算方法を統一しておくことが大切です。

4.退職時の手続きと計算

従業員が退職する際は、退職金の支給対象となるか、金額をどのように計算するか、いつ支給するかを確認します。
外部制度を利用している場合は、各制度に応じた退職手続きも必要になります。

5.掛金や給付内容の管理

DB、企業型DC、中退共などを利用している場合は、加入者情報や掛金額、制度上の給付内容などを継続的に管理します。
従業員の昇給、役職変更、雇用形態の変更などにより掛金や給付内容が変わる場合は、反映漏れがないか確認します。

6.退職金規程の管理

制度変更や社内制度の変更があった場合は、退職金規程の改定が必要になることがあります。
就業規則、賃金規程、定年規程など、関連する社内規程との整合性も確認します。

7.従業員への説明

従業員が、自分がどの制度の対象となっているのか、どのような場合に退職金を受け取れるのかを理解できるよう、わかりやすく説明することが重要です。
制度導入時だけでなく、入社時、制度変更時、定年前など、必要な時期に情報を提供できる体制を整えます。

8.制度に関する記録の保存

退職金の計算資料、制度変更時の説明資料、従業員への通知、過去の支給記録などを整理して保存します。
判断の経緯を記録しておくことで、担当者が交代した場合にも運用を引き継ぎやすくなります。


制度別に考えられる主な運用支援

確定給付企業年金(DB)

DBでは、規約や給付設計に基づいて制度を運営し、必要に応じて制度内容や財政状況を確認します。
会社の人事制度や従業員構成が変わった場合には、現在の給付設計が適切かを確認することもあります。

▶︎▶︎確定給付企業年金(DB)について詳しく見る

企業型確定拠出年金(DC)

企業型DCでは、加入者情報や掛金の管理に加え、従業員が制度や資産運用について理解できるよう、情報提供や投資教育を継続することが重要です。厚生労働省も、加入時だけでなく加入後の継続的な投資教育の必要性を示しています。

▶︎▶︎企業型確定拠出年金(DC)について詳しく見る

中小企業退職金共済(中退共)

中退共では、事業主が勤労者退職金共済機構と契約し、従業員ごとの掛金を納付します。退職時には、機構から従業員本人へ退職金が直接支払われます。
日常の運用では、新規加入、掛金変更、退職時などに必要な手続きを適切に行うことが大切です。

▶︎▶︎中小企業退職金共済について詳しく見る

自社退職金制度

自社退職金制度では、退職金規程に基づいて、対象者、勤続期間、支給条件、計算方法などを管理します。
担当者によって判断が変わらないよう、計算手順や例外的な取扱いを明確にしておくことが重要です。

▶︎▶︎自社退職金制度・退職金規程について詳しく見る


運用支援の主な内容

退職金制度の運用支援には、次のような内容があります。

日常的な相談対応

入社、退職、休職、復職、雇用形態変更などがあった際に、制度上の取扱いを確認します。

退職金計算の確認

退職金規程に基づき、勤続期間や支給率、ポイントなどの計算方法を確認します。

社内手続きの整理

加入・退職時の手続き、必要書類、担当部署、処理時期などを整理します。

規程の確認・改定

制度や社内の運用に変更があった場合に、退職金規程や関連規程を確認し、必要に応じて改定します。

従業員説明の支援

制度の概要、対象者、給付内容、手続きなどを説明する資料の作成や、説明会の実施を支援します。

制度変更への対応

会社の状況や法令、制度上の取扱いが変わった場合に、必要な手続きや規程変更を検討します。

定期的な運用確認

規程と実際の運用が合っているか、加入漏れや計算方法の違いがないかなどを定期的に確認します。


運用体制を整えるためのポイント

担当者と役割を明確にする

誰が従業員情報を管理し、誰が掛金や退職金を確認し、誰が最終判断を行うのかを明確にします。

年間の手続きを整理する

定期的に発生する手続きや確認事項を一覧にし、対応時期を管理します。

判断基準を文書化する

休職期間、再雇用、出向、雇用形態の変更など、判断に迷いやすい事項について、規程や運用ルールを整理します。

計算方法を統一する

退職金の計算表や計算式を統一し、担当者によって結果が変わらないようにします。

定期的に規程と運用を確認する

制度を変更していなくても、規程と実際の取扱いが一致しているかを定期的に確認します。

従業員への説明資料を整える

担当者が口頭で説明するだけでなく、制度概要や手続きについて確認できる資料を用意します。


運用支援の一般的な流れ

1.現在の制度と資料を確認する

退職金規程、就業規則、制度に関する契約書、計算表、従業員向け資料などを確認します。

2.現在の運用方法を整理する

入社時、退職時、休職時などに、社内でどのような対応をしているかを確認します。

3.課題や不明点を確認する

規程と実際の取扱いの違い、担当者ごとの判断の違い、手続き漏れの可能性などを整理します。

4.運用ルールを整える

社内の担当者、手続きの時期、必要書類、判断基準などを明確にします。

5.規程や資料を整備する

必要に応じて、退職金規程、社内マニュアル、計算表、従業員向け説明資料などを整えます。

6.担当者や従業員へ説明する

運用担当者に手続き方法を共有し、必要に応じて従業員への説明を行います。

7.継続的に確認する

制度変更や従業員の状況に応じて、運用方法を定期的に確認します。

実際の支援内容や進め方は、利用している退職金制度や会社の状況によって異なります。


運用支援を相談する際に準備したい資料

相談の際には、次のような資料があると現在の状況を整理しやすくなります。

  • 就業規則
  • 退職金規程
  • 賃金規程
  • 退職金の計算表
  • 従業員名簿
  • 年齢、入社日、勤続年数などがわかる資料
  • 過去の退職金支給資料
  • DB、企業型DC、中退共などの制度資料
  • 掛金や加入者情報がわかる資料
  • 従業員向けの説明資料
  • 社内で使用している手続き書類やマニュアル
  • 過去の制度変更に関する資料

すべてがそろっていなくても相談できる場合があります。まずは手元にある資料と、現在困っていることを整理しておくとよいでしょう。


社会保険労務士に相談できる主な内容

退職金制度の運用支援に対応する社会保険労務士には、例えば次のような内容を相談できます。

  • 日常的な制度運用に関する相談
  • 入社・退職時の取扱いの確認
  • 休職や雇用形態変更時の取扱いの確認
  • 退職金計算方法の確認
  • 退職金規程と実際の運用の確認
  • 退職金規程や関連規程の改定
  • 外部制度に関する手続きの確認
  • 従業員向け説明資料の作成
  • 従業員説明会の実施支援
  • 社内の運用マニュアルの作成
  • 担当者への引継ぎ支援
  • 定期的な制度運用の確認
  • 制度変更や見直しに関する相談

対応する制度や支援範囲は、社会保険労務士によって異なります。各プロフィールや対応内容を確認して相談先をお選びください。


社会保険労務士を選ぶ際のポイント

退職金制度の運用支援について相談する際は、次のような点を確認するとよいでしょう。

  • 現在利用している退職金制度に対応しているか
  • 日常的な相談に対応しているか
  • 退職金規程や就業規則の確認に対応しているか
  • 退職金計算の確認に対応しているか
  • 従業員説明や担当者への引継ぎを支援できるか
  • 継続的な契約に対応しているか
  • 制度見直しが必要になった場合にも対応できるか
  • 自社に近い規模や業種への対応経験があるか
  • 支援内容や費用が明確に示されているか
  • 対面・オンラインなど、希望する相談方法に対応しているか

「どこまでを社内で行い、どこからを社会保険労務士へ依頼するのか」を確認しておくことも大切です。


よくある質問

制度の導入を依頼した社労士でなくても、運用支援を相談できますか?

対応できる社会保険労務士もいます。ただし、現在の制度内容や導入時の資料を確認する必要があるため、手元にある規程や契約資料などをご準備ください。

日常的な質問だけでも相談できますか?

はい。入社・退職時の取扱いや退職金計算など、日常的な相談に対応する社会保険労務士も掲載しています。対応方法や契約形態は各社会保険労務士へご確認ください。

退職金規程の確認だけを依頼できますか?

退職金規程の確認に対応する社会保険労務士もいます。ただし、規程と実際の運用が一致しているかを確認するため、計算資料や過去の取扱いについて確認が必要になる場合があります。

従業員への説明も依頼できますか?

従業員向け資料の作成や説明会に対応する社会保険労務士も掲載しています。対応範囲は各社会保険労務士のプロフィールをご確認ください。

運用確認の結果、制度の見直しが必要になることもありますか?

あります。規程と運用のずれ、会社の負担、従業員構成の変化などによっては、制度見直しを検討した方がよい場合があります。

継続的に相談することはできますか?

継続的な運用支援に対応する社会保険労務士も掲載しています。契約期間、相談方法、費用などは相談先へご確認ください。

相談したら必ず契約しなければなりませんか?

相談後に支援内容、進め方、費用などを確認し、依頼するかどうかをご判断ください。契約する場合は、相談者と担当する社会保険労務士との直接契約となります。


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退職金制度を安定して継続するためには、規程を整えるだけでなく、日常の手続きや計算、従業員への説明を適切に行うことが大切です。
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